金利を予想するには
住宅の金利は、経済政策、物価や為替など、様々な要因で変動します。つまり、金利の予測が出来ればより有利に組むことができる訳ですが、そう簡単には行かないのが金利。専門家でも読みを間違える事があるものを、私たち一般人が予想するのは容易い事ではありませんね。
ただし「積極的に知ろうとする人」と「知らないままでいいやの人」では、やはり未来に大きな違いが出るものです。普段からテレビやネットなどで動向や指標に注目しておくというのも大事です。今回は具体的にはどんなポイントに注目しておけば良いのか、見て行きましょう。
金利は何で決まる?
住宅ローンは大まかに分けると公的ローンと民間ローンに分かれます。そして、実は基準になる金利がそれぞれ違うのです。
基準金利は「財政投融資貸付金利」「長期プライムレート」「短期プライムレート」の3つ。
金利基準 | ||
---|---|---|
公的ローン | 財政投融資貸付金利 | 国が公共事業に融資するお金の金利 |
民間ローン | 長期プライムレート | 銀行が企業に[1年以上]融資するお金の最優遇金利 |
短期プライムレート | 銀行が企業に[1年未満]融資するお金の最優遇金利 |
この上記3つが、さらに市場や流通利回りの影響を受けて金利が決まり、そして住宅ローンの金利が決まるという、この複雑さ故に、ついつい私たちは「知らなくていいや」と思ってしまうのです。
かなり簡単に整理すると、公的ローンは「長期国債の動き」、民間ローンの長期プライムは「金融債の動き」、民間ローンの短期プライムは「公定歩合と短期金融市場の動き」の影響をそれぞれ受けます。
大ざっぱな説明になりますが、
◆公的ローン
…「国債の値段の値動き」に注目
◆民間ローンの長期プライム
…「金融債(国債の民間バージョン)の値動き」に注目
◆民間ローンの短期プライム
…「日銀の貸し出し金利・短期金融市場のコールレート/CDレートの値動きに注目」
という感じです。
といっても、やはり専門的なことは分かりませんよね。ただ、たとえば公定歩合(日銀が金融機関に貸し出す際の金利)に注目しておくと、日銀が公定歩合を引き下げる→金融機関が低金利で借り入れる→企業が貸し出し金利を下げる→住宅の金利も下がるという大まかな目安をつけられる訳です。
実際には物価の動きや世界情勢など様々な要因が影響してくる為、なかなかそう簡単に上記のような流れにはならない事が多いですが、流れを少しでも知っておくと言うのは大事です。
ここしばらく低金利が続いているので、変動金利が人気ですが、この先適用金利が上がれば、返済額が増えてしまう可能性もある訳ですから、経済状況には是非注目しておきましょう。